減価償却の2つの方法とは?

ここでは、太陽光発電設備の減価償却方法について詳しく解説。定額法と定率法の違いや、その計算方法などをまとめています。

定額法と定率法の違い

減価償却は、高額かつ長期にわたって使用することが想定された固定資産を、その耐用年数に応じて分割し費用化します。この減価償却を会計処理するには、定額法・定率法・生産高比例法などの方法がありますが、太陽光発電設備の場合は、定額法か定率法の2択になります。では、その2つの違いについて詳しく説明していきましょう。

定額法

定額法は、減価償却費が毎年同じ額になるように分割する方法。算出方法は「購入代金×定額法の償却率」。例えば、耐用年数15年の設備を1,500万円で購入した場合、定額法で減価償却すると1,500万円÷15なので、毎年の減価償却費は100万円です。ただし、15年目の減価償却費は備忘価額を残す必要があるので、100万円-1円となります。定額法の償却率の算出方法は「1÷法定耐用年数」。10年の場合は0.100、15年の場合なら0.067になります。上記の例であれば「1,500万円×0.067」でも減価償却費を算出できます。

定率法

定率法は、減価償却費が初めの年ほど多く、徐々に減らしていく方法。毎年、残っている償却費から一定の定率法償却率をかけることで償却額を算出します。算出方法は「(取得価格-前年度までの減価償却費残高)×定率法償却率」。定額法で挙げた例と同じように、価格1,500万円、耐用年数15年の設備を購入した場合、1年目の減価償却費は「1,500万円×0.133」で199万5千円になります。2年目は「(1,500万円-199万5千円)×0.133」なので、およそ173万円(1,729,665円)。定率法の償却率は、法定耐用年数によってそれぞれ決められています。

どちらも償却する期間は同じですが、購入後の償却額の配分が異なるうえ、収める税金の額も変わります。どちらの方法も選択することは可能ですが、原則的に個人事業の場合は定額法、法人の場合は定率法が適用されるということを頭に入れておきましょう。逆の方法を選択したい場合は、税務署に届出書を提出する必要があります。

定額法と定率法どちらを選択すれば良いのか?

定額法と定率法のどちらを選択すれば良いのかは、費用を多く計上したい時期がいつなのかによって判断するのが一般的です。

定額法がおすすめな人

事業初期にできるだけ多く利益を残したい場合は、定額法を選択するのがおすすめ。黒字を継続的に出していれば、新規融資を受ける際の審査も通りやすくなります。また、毎年一定の額を償却する定額法は、計算も簡単であるため、手間が少なく計算ミスが起きにくいというのもメリットの一つ。特に個人で太陽光発電投資をし、確定申告も自身で行なっている方にとっては利用しやすいと言えるでしょう。

定率法がおすすめな人

費用をより多く償却すれば、その年の利益は少なくなりますが、その分税金も少なく済みます。事業は水物なので、数年後も黒字を出し続けられているかは分かりません。そのため定率法は、利益が出ている間に費用をどんどん償却し、現金収支の状況を良くしておきたいという人におすすめ。税制改正により、2012年4月1日以降に取得した減価償却資産に関する定率法の償却率は定額法の2倍になるので、その差は大きいと言えます。年数が経てばその分修繕費もかさむため、徐々に費用負担が少なくなる定率法は、利益計画を立てる上でも理にかなっていると言えるでしょう。

償却方法は3年間変更できない

定率法・定額法のどちらを選んだかに限らず、一度選択した償却方法は原則として3年間変更することができません。3年が経過した場合でも、変更する際は税務署で変更の手続きを行ない、承認を受ける必要があります。償却方法を選択する際は、税理士や会計士といった専門家に相談し、固定資産の投資計画や業績予想などを考慮した上で最適な方法を選択するのがおすすめです。