太陽光発電の固定価格買取制度とは?詳細を説明

太陽光発電

固定価格買取制度は太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及拡大を目的として制定された国による助成制度のことです。英語では「Feed-in Tariff」と称されることから別名「FIT制度」と略されることもあります。現在は世界50ヶ国以上で固定買取価格制度が導入され、日本でも太陽光発電を含む再生可能エネルギーの固定価格買取制度が2012年にスタート。

この制度が功を奏し、2013年度に非住宅用に出荷された太陽電池モジュール量は2012年の1940MWの約3倍にあたる6,176MWに大幅アップ。2014年には7,241MWと2007年以降最多の出荷量を更新しました。[注1]

今回は太陽光発電の普及率に貢献した固定価格買取制度についてくわしく見て行きましょう。

[注1]経済産業省:太陽光発電の導入状況及び業界動向[pdf]

太陽光発電の固定価格買取制度が始まった理由

日本ではそれまで太陽光発電の普及を各電力会社による電力買取や各自治体が行う助成などに委ねていました。しかし2005年に太陽光発電システム導入への補助金が打ち切られたことから、太陽光発電の生産量や市場規模が縮小。そのため2009年からは補助金を復活させるとともに、国も再生可能エネルギーの普及促進に乗り出すことになり、その一環として固定価格買取制度が採用されることになりました。

特に太陽光発電に関しては初期投資の回収年数を10年程度に短縮することが目標として掲げられ、2009年より太陽光発電の余剰電力買取制度=固定価格買取制度がスタート。これにより、太陽光発電システムの設置後10~20年間は同じ価格で買い取ってもらえるようになりました。

太陽光発電の固定価格買取制度のしくみ

家庭などに設置された太陽光発電パネルによって発電された電気は、電力会社が一定の間、一定価格で買い取る仕組みになっています。買い取ると言ってもその費用は電力会社が全額負担するわけではなく、その一部は「賦課金」という名目で電気を利用している世帯全体から集められています。つまり太陽光発電の固定買取価格制度は太陽光発電システムを設置した世帯や電力会社だけでなく、電気の利用者の支えもあって成り立っている制度なのです。

実際、毎月配布される電気の検針票をチェックすると、料金の内訳に「再エネ賦課金」という項目があり、1KWhあたりいくら徴収されているかが記載されています。賦課金の額は全国一律ですが、太陽光発電の普及率や発電量などを考慮して毎年調整が行われており、ここ数年は年を追うごとに右肩上がりに上昇しています。こうした現状から、2017年に改正FIT法が施行されて以降は固定価格買取制度の認定条件や調達期間などが変更され、電力利用世帯の負担軽減が図られています。

太陽光発電の調達価格、調達期間は?

カレンダー

では太陽光発電の固定買取価格制度が適用されると、どのくらいの価格で発電した電気を買い取ってもらえるのでしょうか?太陽光発電の買取価格および期間はそれぞれ「調達価格」「調達期間」と呼ばれており、調達価格等査定委員会が電力買取に必要なコストや電力会社の適正な利潤などを加味した上で適切と思われる価格を決定します。その意見を踏まえつつ、最終的には経済産業大臣が年度ごとに太陽光発電の調達価格を決めるというのが現状のルールです。

たとえば固定価格買取制度がスタートした2012年では、10kW以上の太陽光発電の調達価格は1kWあたり43.20円でした。ただ、それ以降の調達価格は年々減少しており、2016年度には1kWあたり25.92円となっています。なお2000kW以上の調達価格については、2017年度より入札制度によって決定する仕組みに変更されています。調達期間については2012年以降より変化はなく、10kW以上は導入後20年間は一定価格で発電した電気を買い取ってもらえます。

改正FIT法施行で何が変わった?

2012年から始まった固定価格買取制度ですが、実際に制度が適用されるようになってから調達価格の決定方法や制度の認定条件などにさまざまな課題が見つかりました。そのため、国は固定価格買取制度の見直しを開始し、2017年4月に改正FIT法が施行されることとなりました。この改正によって見直された主なポイントは以下の通りです。

1.新認定制度の導入

固定価格買取制度の導入や助成制度の復活によって普及率が高まった太陽光発電ですが、一方で発電を行っていない未稼働案件も右肩上がりに増加しています。その理由は、とりあえず国からの認定を受けて権利を確保しておこうと考える事業者が増えたためです。

そこで国では認定だけ確保して、実際には発電を行わない事業用太陽光発電については固定価格買取制度の認定を失効させるという新認定制度を導入。また、これまでは設備の確認=認定となっていましたが、新制度では太陽光発電を利用した事業計画を確認する「事業計画認定」を採用し、事業をちゃんと実施する可能性が高い案件に限って認定を行う仕組みに変更されています。また、過去に認定を受けていても、電力会社への接続契約締結をしていなければ認定が取り消されてしまうなど、認定の厳格化が行われています。

2.点検・保守の遵守

新制度以降は、事業開始前に審査を受けるとともに、事業実施中の点検保守や事業終了後の設備撤去等の遵守が求められることになりました。これは適切な事業実施を確保することを目的としたもので、もし規定に違反した場合、改善命令を受けたり、最悪の場合は認定取り消しを受けることになります。

3.入札制度の導入

2,000kW以上の太陽光発電については入札制度によって調達価格が設定されることになりました。あらかじめ募集容量を決定した上で、その容量が限界に達するまで入札価格の安い順から落札される仕組みになっています。これにより事業者間の競争が促進されるため、太陽光発電のコスト低下につながることが期待されています。

以上のような見直しが行われたことにより、太陽光発電の新設や増設は以前に比べて難しくなりました。きちんと太陽光発電の事業を行えば、固定価格買取制度を活用して回収期間を短縮し、将来的には利益を上げることも可能です。しかし調達価格も年々減少している現在、太陽光発電所の売却を検討する業者も増えているようです。