売電価格の推移と今後の予測

このページでは太陽光発電の売電価格について、これまでの数値の推移や今後予測される変化、覚えておきたい制度をまとめています。

産業用の売電買取価格の推移(2012~2017)

  • 2012年以前…買取制度なし
  • 2012年度…40円/kWh
  • 2013年度…36円/kWh
  • 2014年度…32円/kWh
  • 2015年度…29円/kWh
  • 2016年度…27円/kWh
  • 2017年度…入札制度を導入

2012年以前の売電価格は会社ごとにバラバラ

2012年に売電買取制度が拡大されるまで、太陽光発電によって生み出された電力は、各電力会社が自主的に買い取っていました。買取価格は会社によってバラバラで、産業用の場合は1kWh当たり平均10~20円ほど。太陽光発電投資は設備費用が高額なため、当時の売電価格では導入コストの回収に多くの期間を要し、必然的に導入のメリットが少なくなっていました。

2012年以降は固定価格が設定されるも価格は右肩下がり

2012年7月に固定価格買取制度が制定され、売電価格が40円/kWhに設定されました。導入コストの回収が見込めるようになったため、太陽光発電への投資を検討する人が増えた時期です。その後、固定買取価格は毎年見直され、徐々に右肩下がりに。2017年度の売買価格は21円/kWhで、制度が制定された2012年度当初と比べると約半分となりました。2012年度の価格は「クリーンな自立電源の普及に向け、太陽光発電の導入数を増やそう」という狙いのもと、設定されたサービス価格のようなものでした。

契約から20年間は売電価格が保証される

2012年に制定された固定価格買取制度は、発電された電気を一定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた制度。10kW以上を発電する産業用では、契約から20年間は一定価格での買取が保証されます。この制度はもともと再生可能エネルギーの普及のために定められたものなので、普及がある程度進んだ今、価格の向上はあまり見込めません。売電価格が低くなるにつれて発電システムの導入数もやや減少傾向にあります。

売電価格の今後の予測

売電価格低下の要因は「導入費用の低価格化」

売買価格を決定している大きな要因に導入費用の下落があります。効率よく発電事業が運営されることを想定し、導入費用がうまく回収できるような価格に売電価格は設定されています。導入費は最近では30万円/kW程度で落ち着いている傾向。ただ、日本の太陽光発電システムにかかる導入費用は欧州の2倍あると言われており、まだまだ下がる可能性があります。コスト削減に向けた目標設定に関して、産業用の場合は以下の通り。

  • 2020年20万円/kW
  • 2030年10万円/kW

実現性は不透明な部分がありますが、導入コスト・売電価格ともに海外の太陽光発電市場のほうが低水準であることから、日本でも低価格化が進んでいくと予想されます。

買取期間終了後に大きく下落する

電力会社が一定の価格で電気を買い取ってくれる固定買取価格制度では、住宅用なら10年、産業用なら20年の買取期間が設定されています。この制度のおかげで期間中は必ず買い取ってもらえる訳ですが、買取期間終了後はどうなるのでしょうか?

まず、買取期間が終了すると、ほぼ確実に買取価格が下落すると考えられます。電気を買い取っている電力会社にとって、制度で定められている価格での買取は自社の発電原価よりコストが高め。固定価格で買い取る必要がなくなれば、積極的に売電価格を下げる会社は多くなるでしょう。買取価格の下落を止めるのは難しく、1kWh当たり10円程度になると考えられます。これまで以上に利益を得ることは難しくなると予想されます。

2017年から導入された入札制度

電力使用者の負担を減らすための制度

2,000kW以上の産業用太陽光発電には、2017年より入札制度というものが設けられています。それ以前の買取価格は、導入・運用コストをベースに設定されており、電力会社にとっては多くの費用がかかっていました。そのまま支払っていると電力会社は赤字。そこで、電気料金に賦課金を上乗せする形で利用者に負担させていました。負担は太陽光発電が普及していくほど増加。その負担を少しでも軽減しようとつくられたのが入札制度です。

入札して売電価格を決定する

入札制度とは、売電価格を入札することで決定する方法です。1kWhあたりの上限買取価格と入札募集要領が定められており、発電事業者は供給可能な買取価格と出力量を提示して入札に参加。安価な買取希望価格を提示している業者から落札されていき、入札募集要領を達するまで続くというもの。これによって、落札されなければ電気を買い取ってもらえなくなりました。発電コストが高い(買取希望価格が高い)と入札してもらえないので、コストを意識した発電を行なっていかなければなりません。

入札が行なわれるも、やや低迷気味

入札は2017~18年度で計3回実施。第1回目の投票では合計9件が落札される結果となり、買取価格の最安値は17.2円/kWh。2017年の固定買取価格である21円/kWhよりも3.8円安い結果になっています。しかし、ほとんどが上限価格である21円に近い金額となり、売電価格を下げて負担を軽くしようという目的は、現状達成できているとは言えません。また、募集要領は500MWでしたが、入札されたのは約140MWと大幅に少ない結果となりました。太陽光発電に関する問題については、今後も様々な施策が行なわれていくと予想されます。