売電価格の推移と今後の予測

このページでは太陽光発電の売電価格について、これまでの数値の推移や今後予測される変化、覚えておきたい制度をまとめています。

2019年の売電買取価格は?

2019年度太陽光発電の売電価格についてご紹介します。

まず、産業用(10kWh)の場合ですが、1kWhあたり「14円/kWh(税別)」となりました。2018年は「18円/kWh」だったため、昨年度よりも4円ダウン、ということになります。4円も引き下げられた理由としては、資金調達コストが下がることで経費が抑えられるようになったため、売電価格もそれに合わせて引き下げが行われた、ということになります。

ちなみに、上記で紹介した2019年の売電価格を適用させるには、「2019年4月から2020年3月」までに経済産業省から事業計画の認定を受ける必要があります。その上で、電力会社と売電契約を行うと、「14円/kWh(税別)」という2019年どの売電価格が適用になります。

また、住宅用(10kW未満)の売電価格は、東京電力・中部電力・関西電力エリアが24円/kWh(昨年は26円kWh)、それ以外のエリアが26円/kWh(昨年は28円kWh)となっており、それぞれ2円の引き下げとなりました。

売電価格は引き下げられたものの、想定表面利回りにはあまり変化なし

売電価格は確かに昨年よりも引き下げとなりましたが、実際のところ、想定表面利回りにはあまり変化がありません。これは、各設備業者や販売・施工業者の努力により、太陽光発電の設置単価が下がっているためと言えるでしょう。それぞれの企業努力により、太陽光パネルの発電効率がアップしたことや、管理・維持に関して自社で対応できるように効率化を行っていることが関連していると言われています。

このようにして太陽光発電に必要な経費を削減できるようになった分、売電価格が下がったとしても利回りにはあまり影響がないと言えます。このような理由から、今後も売電価格は下がるのではないかと言われているものの、まだまだ太陽光発電には大きな魅力があると言えます。

今後の売電買取価格予想

今後の売電価格の予想としては、「引き下げが続く」と考えられています。

第40回調達価格等算定委員会(資源エネルギー庁)「平成31年度以降の調達価格等に関する意見」では、売電価格を下記の金額まで下げるとしています。

  • 産業用(認定容量10kW以上):2022年度に8.5円/kWh(税別)
  • 住宅用(認定容量10kW未満):2024年度に10.3円/kWh(税別)

以上のことから、今後も太陽光発電の売電価格は下がる傾向にあることが予想されます。

20年後の予想

認定容量10kW以上である産業用の太陽光発電には、20年の「固定価格買取制度」が設定されており、20年の間であれば導入時の価格で買い取ってもらえます(家庭用の場合は10年)。しかし、固定価格買取制度が終了した20年後にはどうなるのか考えている人も多いはずです。

これから先も、太陽光発電システムをしっかりと管理しておくことで発電を継続することは可能でしょう。しかし、電気がどれだけの価格で販売できるかはその時になってみないとわからないというのが実際のところです。

そのため、売電によって得られる利益と維持費を天秤にかけて、このまま発電と売電を続けるべきかどうか決断するタイミングが来ることが考えられます。もちろん、維持費がかかりすぎると判断された場合には発電をストップすることになりますが、その際は太陽光発電システムにかかる処分費についても考慮する必要があるでしょう。

産業用の売電買取価格の推移(2012~2017)

  • 2012年以前…買取制度なし
  • 2012年度…40円/kWh
  • 2013年度…36円/kWh
  • 2014年度…32円/kWh
  • 2015年度…29円/kWh
  • 2016年度…27円/kWh
  • 2017年度…入札制度を導入

2012年以前の売電価格は会社ごとにバラバラ

2012年に売電買取制度が拡大されるまで、太陽光発電によって生み出された電力は、各電力会社が自主的に買い取っていました。買取価格は会社によってバラバラで、産業用の場合は1kWh当たり平均10~20円ほど。太陽光発電投資は設備費用が高額なため、当時の売電価格では導入コストの回収に多くの期間を要し、必然的に導入のメリットが少なくなっていました。

2012年以降は固定価格が設定されるも価格は右肩下がり

2012年7月に固定価格買取制度が制定され、売電価格が40円/kWhに設定されました。導入コストの回収が見込めるようになったため、太陽光発電への投資を検討する人が増えた時期です。その後、固定買取価格は毎年見直され、徐々に右肩下がりに。2017年度の売買価格は21円/kWhで、制度が制定された2012年度当初と比べると約半分となりました。2012年度の価格は「クリーンな自立電源の普及に向け、太陽光発電の導入数を増やそう」という狙いのもと、設定されたサービス価格のようなものでした。

契約から20年間は売電価格が保証される

2012年に制定された固定価格買取制度は、発電された電気を一定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた制度。10kW以上を発電する産業用では、契約から20年間は一定価格での買取が保証されます。この制度はもともと再生可能エネルギーの普及のために定められたものなので、普及がある程度進んだ今、価格の向上はあまり見込めません。売電価格が低くなるにつれて発電システムの導入数もやや減少傾向にあります。

売電価格の今後の予測

売電価格低下の要因は「導入費用の低価格化」

売買価格を決定している大きな要因に導入費用の下落があります。効率よく発電事業が運営されることを想定し、導入費用がうまく回収できるような価格に売電価格は設定されています。導入費は最近では30万円/kW程度で落ち着いている傾向。ただ、日本の太陽光発電システムにかかる導入費用は欧州の2倍あると言われており、まだまだ下がる可能性があります。コスト削減に向けた目標設定に関して、産業用の場合は以下の通り。

  • 2020年20万円/kW
  • 2030年10万円/kW

実現性は不透明な部分がありますが、導入コスト・売電価格ともに海外の太陽光発電市場のほうが低水準であることから、日本でも低価格化が進んでいくと予想されます。

買取期間終了後に大きく下落する

電力会社が一定の価格で電気を買い取ってくれる固定買取価格制度では、住宅用なら10年、産業用なら20年の買取期間が設定されています。この制度のおかげで期間中は必ず買い取ってもらえる訳ですが、買取期間終了後はどうなるのでしょうか?

まず、買取期間が終了すると、ほぼ確実に買取価格が下落すると考えられます。電気を買い取っている電力会社にとって、制度で定められている価格での買取は自社の発電原価よりコストが高め。固定価格で買い取る必要がなくなれば、積極的に売電価格を下げる会社は多くなるでしょう。買取価格の下落を止めるのは難しく、1kWh当たり10円程度になると考えられます。これまで以上に利益を得ることは難しくなると予想されます。

2017年から導入された入札制度

電力使用者の負担を減らすための制度

2,000kW以上の産業用太陽光発電には、2017年より入札制度というものが設けられています。それ以前の買取価格は、導入・運用コストをベースに設定されており、電力会社にとっては多くの費用がかかっていました。そのまま支払っていると電力会社は赤字。そこで、電気料金に賦課金を上乗せする形で利用者に負担させていました。負担は太陽光発電が普及していくほど増加。その負担を少しでも軽減しようとつくられたのが入札制度です。

入札して売電価格を決定する

入札制度とは、売電価格を入札することで決定する方法です。1kWhあたりの上限買取価格と入札募集要領が定められており、発電事業者は供給可能な買取価格と出力量を提示して入札に参加。安価な買取希望価格を提示している業者から落札されていき、入札募集要領を達するまで続くというもの。これによって、落札されなければ電気を買い取ってもらえなくなりました。発電コストが高い(買取希望価格が高い)と入札してもらえないので、コストを意識した発電を行なっていかなければなりません。

入札が行なわれるも、やや低迷気味

入札は2017~18年度で計3回実施。第1回目の投票では合計9件が落札される結果となり、買取価格の最安値は17.2円/kWh。2017年の固定買取価格である21円/kWhよりも3.8円安い結果になっています。しかし、ほとんどが上限価格である21円に近い金額となり、売電価格を下げて負担を軽くしようという目的は、現状達成できているとは言えません。また、募集要領は500MWでしたが、入札されたのは約140MWと大幅に少ない結果となりました。太陽光発電に関する問題については、今後も様々な施策が行なわれていくと予想されます。