Maintenance【定期点検】

見つかりにくい異常も検出、発電機会の損失を最小限におさえ、発電所の安定稼動を支援し売電収入の最大化を図る太陽光発電の定期点検。このページでは、O&Mの定期点検について紹介しています。

定期点検とは

太陽光発電システムはメンテナンスフリーと言われていましたが、現在は定期的にメンテナンスをしなければいけません。システムの安定運用を実現するために、さまざまな課題を日々解決する必要があります。大きな課題を放っておくと、売電収入の損失や発電所の資産価値を落とすことになる可能性も…。発電監視装置でトラブルを発見することはできますが、装置を設置しただけで見つかるトラブルは全体の25%程度となります。残りの75%の見つかりにくいため、人の目による定期的な点検・メンテナンスが必要なのです。

発電所の規模と劣化進行は無関係

点検の内容は、機器の腐食や損傷、摩耗を発見することがメイン。発電所の規模の大小と劣化の進行は無関係なので、定期的に点検しましょう。定期点検によってトラブルを早期発見すれば、発電機会の損失を最小におさえ、太陽光発電の稼働を安定にしつつ売電収入の最大化を図ることができます。

定期点検の必要性

従来は設備容量が50kw未満の「低圧」に区分される太陽光発電設備あれば、定期点検の規定がありませんでした。しかし、2017年4月から「改正FIT法」が施行され、日本の太陽光発電事業を取り巻く環境は大きく変わり、メンテナンスであるO&Mが義務化されたのです。O&Mは、運用(Operation)と保守(Maintenance)のことです。太陽光発電所事業では2つの役割があります。1つめは、設備の異常を検知した際に現場に駆けつけて即座に対応する業務。2つめは発電量のデータを記録・分析しつつ、太陽光発電装置の定期点検やメンテナンスを実施する業務です。

修復費だけでなく損害賠償を支払わなければいけない

定期点検を行なっていない場合、台風によって太陽光パネルが飛散してしまい、住宅や車両を損壊する被害が出ることがあります。そうなってしまうと被害を出してしまったことに対する損害賠償を支払わなければいけません。太陽光パネル以外にも発電したエネルギーを使える電気に変換するパワコンのチェックも大切です。パワコンが劣化すると電力系統異常で停止してしまい、売電収入が減ってしまいます。

このような被害を未然に防止するため、太陽光パネルや架台を固定するネジのゆるみや変形、破損などがないかを定期的にチェックする必要があるのです。しかし、それだけでトラブルを完全に防止することはできません。万が一に備えて、24時間365日の遠隔監視体制を整えておと、いつでもトラブルが発生したのかを把握することができるので、早め早めの対応が可能になり、より長期的太陽光発電事業を行なうことができます。

産業用発電所の定期点検項目

産業用の太陽光発電で特に気をつけたいポイントは、収益性の低下です。トラブルを防ぐための点検・検査すべき箇所は、パネルの損傷・汚れ、架台の締め付け・ズレ、ケーブルの損傷などたくさんあります。ここでは産業用の太陽光パネルの定期点検項目についてまとめました。

  • 発電所全体
    敷地内の雑草・アレイの歪み・フェンスの破損(設置してある場合のみ)・その他の異常
  • パネル
    フレームの変形・フレームの破損・表面の傷・表面の汚れ・表面の破損
  • 光架台
    架台の腐食・架台の錆・ケーブル外皮部の破損・配電線管の破損・ボルト類の緩み
  • 接続箱・集電箱
    外箱の破損・外箱の腐食・配線ケーブルの損傷・端子の緩み
  • パワコン
    外箱の腐食や破損・接地線の損傷・端子やネジの緩み・自立運転機能動作確認(※対応機種のみ)・通気孔の確保確認・異常熱の確認・クリアランスの確認・運転時の異音、振動、異臭・表示部動作確認・発電状況確認

精密点検

中には特殊な機器を用いてモジュール性能や特性を調査し、細かいところまで点検するメンテナンス会社があります。ここでは、精密点検の項目をまとめました。

  • 外観目視点検
    太陽光発電機器を隅々までチェックし、システム全体を目視点検します。発電監視装置のデータでは把握しきれないトラブルを未然に防止することが可能です。
  • Ⅳカーブ診断
    定期的に太陽光パネルの発電性能をチェック。システムの異常や経年劣化の進行度合いを確かめます。
  • I-V 測定
    モジュールの出力特性と発電量を計測。セルのクラスタ落ちも検出できます。
  • IR 検査
    モジュールをはじめとした電気負荷のかかる機器を中心に検査して、温度負荷を確認します。
  • 電路探査
    モジュールのセルラインをチェックし、断線状態を検査。故障部位を特定することもできます。
  • インピーダンス測定
    モジュールの電気的抵抗を測定することで、断線やバイパスショートの有無を確かめます。
  • バイパス検査
    バイパスダイオードが正常に稼働しているかを調査します。
  • PCS動作試験
    定期的にパワコンの動作状況をチェックします。経年劣化の進行度合いを確認し、システムに異常がないか調べます。