メンテナンスフリーと聞いていたが

このページでは、実際に起こった太陽光発電投資に関する相談を取り上げ、専門家である久保氏(キューボー)に対応策をアドバイスしていただきました。

【相談】物件が火事に…売電収入も減ってしまった

火

Cさん:業者からメンテナンスフリーと聞いていたのですが、実際に運用を始めると太陽光パネルから火が出て火事になり、設備の一部が損傷してしまいました。売電収入も一時的に減少してしまって…。どうすればいいのでしょう?

【対応】手抜きを認識したら「すぐに見切る」

ケーブル不具合による発火事故は保証で対応

久保氏:基本的にメンテナンスフリーというのはなくて、完全にそれは業者が売るための「文句」で騙しているというところなんです。まず、火災の原因には2種類あって、1つ目は、そもそも、もとから不具合があったケーブルである可能性が高いということ。あまり知られていることではないのですが、太陽光パネル自体に関しては、1~4までクオリティのレベルがあり、最上位のレベル(世界的な大手メーカーが卸すパネル)を提供している会社のパネルであれば、ほとんど不具合を起こすことはありません。

逆に、下のクオリティのパネルを使うと、不具合がよく起こります。しかし、パネルに付いているケーブルについては別会社が造っており、これだけは、どこの施工会社もだいたい同じケーブル会社から納品を受けているため、ケーブルについては、どれだけパネルの性能が良かったとしても、あるロットで不具合が起こるわけです。

実際にキューボーでも発火の事故というのはあって、ケーブルのコネクター自体に不具合がある場合で、接続すると1年以内に発火してしまいます。こればっかりはケーブル自体の製品の不具合なのでどうしようもなく、事前に把握して防ぐというのは残念ながら無理なのです。この場合は通常、私どもの物件の場合はメーカー保証を受けることができるので、メーカーが無償でパネルを支給してくれます。これが、1つ目のパターンです。

手抜きかどうかのジャッジは非常に難しい

2つ目は、完全に手抜き工事のせいで発火している可能性があるケース。太陽光パネルどうしをケーブルとケーブルで繋ぐのですが、通常、パネルからだらーんと垂れ下がったかたちでケーブルが設置されています。これは、何もしなければ、こうなります。この状態では、台風や大風の時に、ケーブルがバタバタと動いてしまい、数年後にはケーブル自体に不具合が起こってしまいます。

しかし、これを手抜きかどうかとジャッジするのは非常に難しいところ。キューボーの場合ですとパネルの裏にケーブルを括りつけておりバタバタしないので、何年経っても大丈夫なのですが、この工法をやっているのは業者全体のうち3%くらい。残りの97%の業者はこういうことをしていません。なぜなら、面倒くさく、手間がかかるから。また、それをやったところで、お客様がその価値を感じてくれないから。

このような手を抜く要素は発電所にはいくらでもあるんです。しかも、それが違法行為ではない、「うちは規格に従った工事をやってますよ(でも、10年以内に不具合起こるけどね)」と。もちろん、買主側が「ケーブルはこうしてください、工事はこうしてくださいと厳密に依頼をすることはできますが、追加で数百万の費用が発生するケースがほとんどです。

利回りよりも「20年もつ工事」かどうか

太陽光設置工事の前に、お客様がそんなことを言えるかどうかという話です。もしくは、完成品を買う場合、実際に物件を見に行って、それを不具合と認識できるかどうか。太陽光発電に建築基準法が適用されないというのは、それだけ購入時のハードルが高いということ。

住宅購入であれば国が定めた法があるから、その法が守られていれば一定の安全性は担保されています。こういう基準に従って建てなさい、というのが決まっているので。違反した場合は、設計や建築した業者にすごいペナルティがくるので、みんな割に合わないから、やらないだけ。太陽光の場合は「工作物」とされ、建築基準が適用にならないので、何をやったとしても、基本的に法的に許されてしまうわけです。

では、法で許される、会社としては利益を追求する時、どういう工事内容になりますかといえば、そういう思いっきり手抜き工事している業者を責めるのも実際は難しい。「だって、お客さん、利回り高いから良いといって買ったんでしょ」と。実際は造成から設置工事まで完璧に仕上げたら、そんな値段では到底売りにだせないのです。キューボーの案件は高くても当たり前と考えていて、そのかわり20年ではなく「どうやって50年をもたすか」という考えでやっています。50年後の売上利益は何千万単位で変わります。

火災保険を組まない太陽光発電投資はあり得ない

不具合です、どうしましょう?という相談への回答としては、「工事はちゃんとやり替えたほうがいい」というのが1つ。手抜き業者で故障・修理を繰り返していて、何度も保険金請求をしていると、下手したら保険の更新の際に保険料を引き上げ、もしくは締結を禁止される可能性もあるためです。

ハッキリいって太陽光発電は火災保険を組まなければかなりやばい。なぜなら、避けようのない自然災害があるから。なかでも竜巻だけはどうしようもなくて、台風に関してはキチッと工事していれば飛ばないのだけど、竜巻ってそもそも家の基礎を持ち上げるくらいの力なので、太陽光発電がそれをくらったらどうしようもありません。

また、最近流行っているサイドビジネスとして、パネルの盗難。でも、盗まれた場合は火災保険で対応できます。もちろん、そもそも火災保険に入っていればの話。なので、竜巻と盗難だけは避けようがないから、いずれ運が悪ければおしまい。火災保険が付いていないってことは、ローン何千万円だけが残るわけです。

手抜き業者とは真っ先に手を切るべき

今回の中古市場で一番いえることは、もちろん手抜き工事は…これはやられてしまったものはしょうがない、自分が買ったのだから。まず自分の浅はかなところを、ちゃんと痛感してもらうのが第一歩です。その時に、人間って自分が何千万円もかけて買ったから、「自分は悪くない」「騙されていない」と思いたいんです。そうすると、手抜き業者に対して「自分は間違っていない」という精神的な証明をするために、追加の修理をそこに依頼してしまう人が少なくありません。この精神状態が非常に危険で、自分を正当化するために間違った人間(業者)とずーっと引き続き付き合っていってしまう

本当に工事が酷ければ、そこは、手を切るべきでしょう。まともな業者なら問題はありませんが、もし「これは工事がおかしいな」と自分が現場を見て感じたのであれば、真っ先にその業者とは手を切らないといけません。それをできずに、同じような事故を繰り返すと、もう保険会社のほうから契約を切られてしまいます。

さらに、注意しておかなければいけないのは、保険会社から「もうあなたとは契約しません」となったら、別の保険会社とも契約ができなくなるということ。これは火災保険加入には告知書が必要なためです。告知書には「以前、他の損保会社と契約が不可になったことがある」と書かなければいけないので、不可の場合は、ほとんどの業者が引き受けてくれません。繰り返しますが、これは手抜き工事だと分かったら、さっさと他の業者に乗り換えることが非常に重要です。

「メンテナンスフリー」はない

発火の事故というのは、十分に起こり得ることです。メンテナンスフリーというのは売るためのうたい文句で、整備・保守に関する手立ては講じておかなければいけません。

施工後に起こる火災の原因

ケーブル

火災の原因は主に2種類。1つめは、ケーブルの不具合によるもの。太陽光パネルは、1~4まであるクオリティのレベルのうち、最上位のものを選んでいれば滅多に不具合が起こることはありません。ただしケーブルに関しては、施工会社のほとんどが同じケーブル会社に発注しているため、ロット単位で不具合が起こります。ケーブルのコネクターそのものが原因で起きる発火の事故は、ヒューマンエラーとは違い未然に防ぐことができません。

2つめは、手抜き工事が原因のもの。ただし、「手抜き」と断定することは難しい。建築基準法の適用外なので、クリアすべき最低基準や、それを満たしていない場合のペナルティ、等の明確なルールがありません。長く不具合を起こさせないための工夫は、手間もコストもかかるためほとんどの業者は行っていないのです。法という縛りがなく、またお客さま自身に知識がないことも原因のひとつです。

利益は長い目で見る

建築基準法が適用されないということは、大変リスクの高いことです。住宅を含む建築物は、国の定めた法に則って作られていれば一定の安全は確保されています。しかし太陽光は「工作物」とされるため、建築基準法の適用外。照らし合わせる法がないのです。会社として利益を優先する場合、どのような工事を行っても違法とならないことを前提とするならば、確実なのは工程や支出を減らすことです。

契約を多く交わして利益を確保し、工事を簡単に済ませて数をこなしていくことが一番儲かります。利回りの良さや工事費用の安さに惑わされないでください。20年間建物が耐えられる工事が行えるのか、見るべきポイントを決めて業者を選びましょう。

例えば50年もたせることができれば、売上利益は何千万円と変わってきます。

火災保険への加入は必須

住宅を購入する際、あらゆるリスクを考慮し地震保険や火災保険などに加入しますよね。太陽光発電も同じように、火災保険に入っておく必要があります。避けることのできない自然災害や、最近多く見られるパネルの盗難には、火災保険で対応が可能だからです。運悪くこれらに遭ってしまうと、火災保険に入っていなければローンの支払い義務だけが残ることに。施工の状態がよければ通常レベルの台風であれば、影響は少ないでしょう。しかし、竜巻となると話しは別です。家を基礎部分から持ち上げるほどの威力に、太陽光発電が勝てるはずがありません。

手抜き工事を認識したら、すぐに関係を断つ

自分の目で現場を見て、工事がおかしいのではないかと感じたら、早急に関係を断ちましょう。人間は弱いもので、自分を正当化しようとしがちです。何千万円もかけたのだから、自分は騙されていない、自分の判断は間違っていない、と。このような思いがあると、手抜き工事と追加修理の無限ループに陥ります。保険金請求を何度も繰り返し行っていると、保険会社のほうから契約を切られることも。一社断られると、別の保険会社でも契約ができなくなります。

気づいてしまったら自分の落ち度だと受け止め、次の行動に移りましょう。今までの業者とはすっぱり手を切り、工事のし直しをしてもらう別の業者を探すことが賢明です。

太陽光発電所の悩みを
Qvouに直接相談する